ボンネットダクトを追加したらオーバーヒート?起こり得る理由と解決方法のご提案

毎日暑すぎますね…工場がある福島市は盆地なので気温と湿度がやぶぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいですwww

7/26は観測史上最高気温だそうですw

そんな中、このようなお問い合わせがありました。

社外ボンネットに社外ダクトを装着したら、高速道路走行中に水温が上がってしまいました。冷却効率を上げるためのダクトをワンオフで作ってもらえないでしょうか?

もしかすると、同じ現象が発生している方がいらっしゃるかもしれないと思い、本件についてご説明いたします。

この場合、

  • 単にダクトを追加すれば解決するのか?
  • そもそも他に原因が無いか?

を探求する必要があります。

探求①
既存の後付けダクト装着時にエンジン補器類の改造・故障が無いか

そもそも本当にダクトが原因なのか?から疑うことが大事です。

エンジンの冷却水はウォーターポンプ(以下:WP)で循環しておりますが、高速道路などの一定回転数+定速走行での状況下では循環と走行風によって冷却されております。

その一方で近年はWPの電動化が流行り、装着されている方もいらっしゃいます。そのためまず、直接関係するこの冷却水の循環環境が、純正WP完全撤去なのか、ブースター型なのかによっても話が全く変わってきます。

「いやいや、そんな人少ないでしょ」と思われるかも知れませんが、せっかく大金を払ってダクトを製作したのにも関わらず、実は冷却系統を一通り手を加えていて、「実はその状況下ではまったく冷えていなかった」なんてことがあったら誰も喜ばないですからねw

探求②
熱源と対流箇所を理解した上でダクトを設置しているか

ダクトを設置する際には「なぜそこに設置するか」を良く考え、配置しましょう。

例えば、ストラットタワー後方やタービン後方など、熱源に対して「どのように抜きたいか」を空気の流れになったつもりで想像し、効率良く排熱できるかを考えないと逆効果の場合もあります。

ボンネット形状やダクトによっては「付けられるようにしか付けられなかった」というケースも考えられますが、自由度がある場合はまず、この辺りをよく検討して取り付け位置を割り出しましょう。

探求③
そもそも本当に抜けてますか?

ボンネットダクトはやみくもに増やせば良いものではありません。

話を戻すと、今回お問い合わせの事例は「高速道路で水温上昇」です。つまり車速が比較的高く、走行風が多い状態に起こるということでした。(お問い合わせ内容からしておそらく低速度域では問題ない)

この場合、もしかしたら装着したダクトが原因で排熱がしづらくなっている可能性も考えられます。

具体的には、装着したダクトが原因で、走行風によるエアカーテンが発生→乱流などが発生して既存ダクトからも排熱しなくなった、というイメージです。

個人的には本件の問い合わせに関してはこれが原因な気がしています。

低速では走行風がそれほどないため全てのダクトから排熱していたが、高速走行時はダクトの上にエアカーテンが発生し、抜けるどころか排熱をせき止めてしまっている場合があります。しかもこれは排熱だけに限らず、空力的にも悪影響です。

この辺りを深掘りすると熱と流速も関係してきますが、色々とややこしくなるのでシンプルにまとめると、排熱できないダクトではボンネット内を負圧にできないと思います。結果として熱が抜けず水温上昇という流れです。

改善策のご提案

1.後付けダクトをテープで塞ぐ

これだけで走ってみて解決すれば、後付けダクトが原因ということが分かります。でもせっかくお金を払って装着したダクトをテープで塞いだまま、または取り外すのは嫌ですよね…

そんな方は…

2.ガーニーフラップの取り付け

GTウィングなどに装着するアレです。

ダクトの頂点に、ホームセンターのLアングル材などを必要な長さに切って装着してみてください。

ガーニーが生み出す渦によって、意味が無かったダクト、あるいは乱流を起こすだけだったダクトが「高性能ダクト」に生まれ変わる場合もあります。

株式会社 計算力学研究センター様記事より転載

こちらは株式会社 計算力学研究センター 様の記事にありましたガーニーの効果検証の図。10mm程度の高さで大丈夫です。高すぎると効果が得られない場合もあります。

というわけで、こういったトラブルに直面された方の参考になれば幸いです!

最後に宣伝w
かっこよい汎用ドライカーボンガーニー販売しています

ここまで記事を読み、さらにダクトのガーニーによって良い効果を得られた方へ!

CF Labでは『汎用ドライカーボンガーニーフラップ』を販売していますw

ダクトにガーニーを付けて効果が得られたけど見た目をもっとかっこよくしたい!という方はぜひご検討ください!

さて、宣伝も入りましたが、世の中には沢山の汎用ダクトが販売されています。特に高性能汎用ダクトであっても、装着する位置や状況によってはダクトとしての効果が得られない場合もご紹介させていただきました。

取り付けに際しては記事中でも述べましたが、「空気の気持ちになって」取り付けをしましょう。

そして付けて満足ではなく、効果が得られるセッティングをすることを強くお勧めします。空力も足回りと一緒で、正解がありません。特に検証しにくい部分も多いですからなおさらです。

「〇〇さんが装着しているから」ではなく、それを更に活かせる方法を見つけ出すのも、車遊びの一環です!

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