こんばんは。
福島は一気に冬っぽくなってきました⛄
さて。
本日は皆様がとても気になっているカーボン製品の強度についてご説明させていただきます。
カーボン製品の種類と強度を比較
一般的にカーボン製品と言えばウェットカーボン、ドライカーボンとして認識されると思います。
当社が行っているインフュージョン成型(VaRTM)はまだ一般的では無いかもしれません。
まずはそれぞれの強度や特徴について触れたいと思います。
ウェットカーボンについて
世の中の市販車向けカーボン製品の9割はウェットカーボンかと思われます。
『ウェットカーボンとはなんぞや?』については書かなくて大丈夫ですよねw
詳しく知りたい方はコチラへ。
ドライカーボンの中にも種類がある!?カーボン製法のまとめ【ウェットカーボンも】 | Webikeスタッフがおすすめするバイク用品情報|Webike マガジン
当社のVaRTM工法(インフュージョン成型)は基本的にフルカーボンとなります。(一部ハニカム使用)ガラス繊維は使用しません。
そこへ真空引きを行った上でエポキシ樹脂を含侵させております。
こちらをご覧ください。
カーボン(炭素繊維)とガラス繊維を比べた際に、強さの面で圧倒的にカーボンが勝っている事が分かると思います。
構造体がガラス繊維としているウェットカーボンと、構造全てがカーボンのインフュージョンでは製品強度が変わる事がなんとなくお分かりいただけるかなと。
ドライカーボンについて
先に言っておきます。
最強はドライカーボンです。
これは間違いがないです。
『は?何を言ってるの?引張強度同等と言ったやん?騙したんか?』
はい。確かに言いました。
その答えはコチラです。
『織物』と記載があるのが当社で使用でしているカーボン繊維(生機)です。
ドライカーボンに使用するカーボン繊維を『プリプレグ』と言いますが、カーボン繊維(生機)へ熱硬化性樹脂(エポキシ)を含侵させた物がプリプレグとなります。
つまり元は同じ物なのです。
同じカーボン繊維を使用している以上、繊維で大きく決まる引張強度は同等となります(もちろん樹脂による変化もあります)
ではドライカーボンは何が最強なのか。それは、、、
「オートクレーブにて高温・高圧で焼き上げる」
につきます。例えば濡れたタオル3枚の上に、
- 1キロの重りを載せて凍らせたタオル
- 3キロの重りを載せて凍らせたタオル
その2種類の物があるとします。
後者の方が密度が上がり、カチコチの冷凍タオルになると想像出来ると思います。とはいっても前者も重りが載っているので、カチカチの冷凍タオルが出来上がると思います。
ドライカーボンを製作する際に使用するオートクレーブは、高圧にする事によってカーボンの密度が増し強度が上がります。
インフュージョン成型が前者、ドライカーボンが後者となります。
インフュージョン成型(VaRTM)について
インフュージョン成型は真空ポンプによって得られる大気圧100kPaによって、生産型にカーボン繊維が押し付けられ密度が上がります。
そこにエポキシ樹脂を引っ張り込む事によって、必要最低限の含侵量となります。
また常温にて硬化させた後、高温によるアフターキュア(熱硬化樹脂の成形した後に加熱することによってさらに硬化すること)を行う事によってエポキシ樹脂へ物性(物理的性質)を与えます。
一連の作業を行う事によって高強度なカーボン部品が完成致します。
インフュージョン成型のメリットについて
上記でご説明した通り、真空引きを行う事によってドライカーボン同様、入り組んだ形状(86のダッシュボードなど)へもカーボン繊維がしっかりと押し当てられるため、難しい形状も製品化する事が可能となります。
また、ドライカーボンと比べるとオートクレーブの様な大掛かりな設備が不要であったり、製造上の圧力が低いことから製品型への負担が少なく長持ちするという点から、商品の生産コストを比較的安価に抑えることができます。
その他、プリプレグの様に樹脂が含侵されていない繊維が使用可能となるため、工夫次第ではなんでもサンドウィッチ出来ます(うまーべらす)
まとめ
自動車アフター向け製品にあるFRP・ウェットカーボン・ドライカーボン、そしてインフュージョン成型。
いずれも善し悪しがあると思いますが、最終的にはご自分に合った工法の製品をお選びいただければと思います。
インフュージョン成型は使用する用途・求められる強度・予算等に比較的合わせやすい工法と当社では考えております。
日々研究を重ね試作を繰り返しお客様に最適なご提案をさせていただければと思います。
次回は当社製品に強度がある事を示すことができた一例をご紹介させていただきます。
それでは🤗